ふと。

「虚構機関」を読み終えて。


もう小説を読み続けてずいぶん経って何をいまさらというカンジなのだけど
自分はどうやら型に飽きてしまうらしい。ことにようやく気づいた。


発想の「型」もあるだろうし、様式としての「型」もあるのだろうけれど、
そのどちらに対してもやはり一定量読むと飽きがくるらしい。


たぶん最初にハマったのは児童文学で、次が歴史もの、
ミステリーときて、そしてファンタジーとSF。


SFがたぶん一番長く、10年ぐらい続いていて
それがどうしてかっていうと、
たぶんいろんな意味で型を外そうとしている、
気がしたんじゃないかなと思う。


『ハザール事典』も『完全な真空』も『ケルベロス第五の首』も『時間衝突』も
作品が書かれたのは今よりもずっと前だけれど
自分はこんな型の作品たちをそれまで読んだことがなかったのだ。
そして幸運にもSFを読もうとしているとそういう作品たちに
うまい具合に出会えて今までふらふらと読んできたのだった。


今回の「虚構機関」のいくつかの作品に対して、
ちょっと型にハマっているカンジがしてしまったのは
偶然そういう型の作品を自分が先に読んでしまっただけで、
もしかしたら驚きの連続の方もいらっしゃるかもしれない。


ただ、ちょっとだけそこが残念だった。