ふぁんたじー。

上橋菜穂子獣の奏者』読む。


「闘蛇編」「王獣編」とこの物語に出てくる2匹の獣を副題として、2006年に発刊。


主人公は、10歳の少女であるエリン。


上巻「闘蛇編」は、戦闘用に飼いならされている
闘蛇(わずか数十の闘蛇で千騎の騎馬兵を圧倒する!)と
その世話をするエリンの母に関する物語。


下巻「王獣編」は、その闘蛇をも凌駕する獣の頂点に立つ王獣とエリンとの物語。


単純に言うと
「獣と人は意思の疎通ができるのか」
というあたりが主題だと思うのだけど、

そこまで単純な物語ではなく、
リョザ神王国という国の成り立ちやら
獣の生態やらが絡んで複雑なお話になっている。


文化人類学の先生ということもあり、
物語の隅々までいきわたるその文化人類学的な視点が面白い。


さすがに物語世界の背景が全部語りきれるわけはないので、
この2冊におけるエリンと王獣との物語は完結していて、
おお、これはすげえと思ったのだった。


思ったのだけれど。


そしたらこの夏に出てしまったのがその続編である3、4巻。
「探求編」と「完結編」。


あそこまでまとめちゃ次のは蛇足になっちゃうだろうけれど、
まあいろいろと謎も残っていることだしなんとか書けちゃうのかなと思って
手に取ったが最後、ラストまで一気に読みきってしまった。


物語は2巻の最後から10年後。
エリンにも子どもができて、、、から始まる。


「完結編」と銘打つだけあって、1・2巻ではあまり語られなかった
リョザ神王国の周辺の国々が書かれ、また大きい謎だったアレが開示される。
うぉーすげーと叫びたいのだけれど、話を書いちゃうとネタバレにもなっちゃうのでここは省略。


とりあえず今期はぜんぜん本読んでないから難しいよなと思っていたのだけど、文句なく上半期1位。
ファンタジーをあまり読まない方にもオススメです。