旧刊ベスト
残念ながら今期もあんま本読んでなくてこれだって言えなかったりする。
とりあえずな3冊はこんなカンジ。
旧刊
1位:保坂和志『書きあぐねている人のための小説入門』(中公文庫)
2位:ボルヘス『七つの夜』(みすず書房)
3位:宇田賢吉『電車の運転』(中公新書)
1位
旧刊ていうかこの本そのものは今期発売されたものなのだけど、
文庫化で、中身がすげえ変わったとかではないので本書は旧刊扱いにする。
保坂和志の小説入門書ていうとなんかすげえ難しそうというか
フツウの小説は書けなさそうなそれこそ保坂和志的小説しか書けないんじゃないの
いやでもそもそもそんな簡単に保坂和志的小説って書けるんだろか
と悩みながらとりあえず読んでみたら、けっこうフツウだった。
悪口とかではなく、いつもいつも小説を考えている保坂和志的な
こねくりまわし方はしているけれど、それでも今回は
「書きあぐねている人」たちに対するものとして徹底している。
ので、フツウにおもしろい。
残念なのは自分が小説を書く気は一切ないので、
書きあぐねていないということだったりする。
誰か書きあぐねている人はいませんか。
そして読んでみて書きあぐねなくならないか
試してみてもらえませんか。
2位
ボルヘス先生による連続講演の記録。
七晩で七つの講義。
有名どころな『伝奇集』をはじめ、
ボルヘスは何冊か読んでいるのだけど、
本書はすげえ読みやすい。
講演がもとということもありすんげえ平易な言葉で
ボルヘスが考え方について講義してくれる。
これはオススメ。
3位
けっこうそこかしこで名前がうれた、電車の運転。
もと運転士さんによる電車の運転の仕方。
いろいろと部位の説明から、出発進行、停止、確認、
ずらずらと並ぶ専門用語は異国語。
それでもなんだかよくわからないまま、
おお電車ってこうやって運転すんのかー
とフシギな納得をしてしまった。